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2017年1月27日 | 役所からの情報 食品リサイクル法の判断基準省令等の改正及び食品関連事業者向けガイドラインの公表について

昨年1月に発覚した産業廃棄物処分業者による食品廃棄物の不適正な転売事案を受けた再発防止策の一環として、本日1月26日(木)に、食品リサイクル法の判断基準省令等を改正し、食用と誤認されないよう適切な措置を講ずる旨等を新たに盛り込むとともに、食品関連事業者向けの不適正な転売防止の取組強化のためのガイドラインを公表しましたので、お知らせします。

1.背景
昨年1月に食品製造業者等が産業廃棄物処分業者に処分委託した食品廃棄物が、当該処分業者により不適正に転売され、複数の事業者を介し、食品として流通するという事案が発覚しました。環境省では、昨年3月に取りまとめた「食品廃棄物の不適正な転売事案の再発防止のための対応について(平成28年3月14日)」において、電子マニフェストの機能強化、廃棄物処理業に係る対策として監視体制の強化等、排出事業者に係る対策として食品廃棄物の不適正な転売防止対策の強化に取り組むこととしました。

これらのうち、排出事業者に係る対策としての食品廃棄物の不適正な転売防止対策の強化に関しては、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(平成12年法律第116号。以下「食品リサイクル法」という)における食品関連事業者が取り組むべき措置の指針(判断基準省令)の見直しを検討するとともに、食品廃棄物等の不適正な転売防止のための措置に関するガイドラインの策定を検討することとしました。

これを踏まえ、環境大臣から中央環境審議会に、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に対し、それぞれ「食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項の改定について」が諮問され、中央環境審議会及び食料・農業・農村政策審議会の下での合同会合の審議を経て、昨年9月に中央環境審議会から環境大臣に、10月に食料・農業・農村政策審議会から農林水産大臣に答申がなされました。

環境省及び農林水産省では、上記の答申を踏まえ、パブリックコメント手続を経て、食品リサイクル法関係省令の一部改正等を行うものです。

また、省令の一部改正に併せて、判断基準省令の新たな規定に基づき、食品関連事業者における食品廃棄物等の不適正な転売防止のための取組が適確に実施されるよう、取組指針を示したガイドラインを公表します。

2.省令の概要
食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定める省令及び食品廃棄物等多量発生事業者の定期の報告に関する省令の一部を改正する省令(別添1)

・食品関連事業者が食品循環資源の再生利用等を実施する際に、不適正な転売を含む不適正処理がなされないよう適切な措置を講ずる旨、またその際に当該措置が再生利用の阻害につながらないようにすべき旨を追加する。

・食品廃棄物等の収集・運搬時や特定肥飼料等の製造時において、食品廃棄物等の性状または発生の状況を勘案し、追加的に転売防止措置が必要と認められる場合には、食品廃棄物等が食用と誤認されないよう適切な措置を講ずる旨、また委託先においては委託の内容どおり収集・運搬、特定肥飼料等の製造・利用がなされるよう確認する措置を講ずる旨を追加する。

・食品関連事業者が、食品循環資源の再生利用として他人に特定肥飼料等の製造を委託するに当たっては、当該製造を行う者の再生利用の実態や、周辺地域における当該再生利用に係る公示された料金等を踏まえ、適正な料金で再生利用を行っている委託先を選定する旨を追加する。

3.施行日
公布の日(平成29年1月26日)

4.食品関連事業者向けガイドラインの概要(別添2)
(1)全ての食品関連事業者に求められる取組
・転売防止の観点でもまずは食品リサイクルの適確な実施の確保のための取組を徹底する必要がある。
・自らの事業に伴って排出された食品廃棄物の処理について、排出事業者責任を重く再認識する。
・再生利用事業者等との信頼関係の強化等により食品リサイクルに主体的に取り組む。

(2)本事案を受けた追加的な転売防止措置
・廃棄される食品の性状(固形・液状等)、荷姿、消費・賞味期限の長さ、発生量とうに応じてあるいは排出される場面に応じて、転売のリスクを考慮しつつ、追加的に転売防止措置を検討する。
・転売のリスクが相対的に高いと考えられる場合に、通常の業務管理に加え、取組を柔軟に選択して実施する。
食品リサイクルの取組の促進と転売防止のための措置を同時に達成するよう取り組む。

(3)具体的な取組例
・再生利用事業者等との間の信頼関係の構築
‐再生利用事業による肥飼料の製造・販売状況、農産物の生産状況の把握、適正料金に関する議論を促進する。
‐食品リサイクルループの構築など、再生利用事業者、農畜産物生産者との協働による事業を実施する。
・処理委託時の取組
‐再生利用事業に必要な施設のキャパシティを確認する。
‐適正料金で再生利用を行う委託先を選定する。
・食品廃棄物の引渡し時の取組

‐【不適正な転売のリスクが相対的に高いと考えられるケースの場合】
不定期に、かつ一度に一定量の食品廃棄物が発生する場合
消費・賞味期間が比較的長い商品を廃棄する場合

‐【転売防止措置の例】
包装の除去・毀損、廃棄物である旨の印を付与
再生利用設備への投入を目視で確認
・処理終了時その他の取組
‐マニフェスト、伝票等による処理終了の確認、再生利用施設への定期的訪問、教育訓練 等

5.意見募集の結果
(1)意見募集対象
食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定める省令の一部を改正する省令案

※食品廃棄物等多量発生事業者の定期の報告に関する省令の一部を改正する省令については、食品循環資源の再生利用等の促進に関する食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定める省令の一部改正に伴う平成19年財務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省令第3号の一部改正であり、行政手続法第39条第4項第8号(軽微な変更)に該当することから、意見公募手続を実施しなかった。

(2)意見募集の周知方法
電子政府の総合窓口、環境省及び農林水産省のホームページ

(3)意見募集期間
平成28年11月25日(金)から平成28年12月24日(土)まで

(4)意見の提出方法
電子政府の総合窓口を介したインターネットによる提出、郵送

(5)意見提出数及び御意見に対する考え方(別添3)

意見提出者数 御意見に対する考え方
6 名 別添3別紙

添付資料

連絡先
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部企画課リサイクル推進室
直通:03-5501-3153
代表:03-3581-3351
室長   田中 良典(内線6831)
室長補佐 小林 豪 (内線7862)
担当   薄木 航 (内線6804)